Column経営管理のための収益性分析の方法
企業運営の効率性を見る収益性分析
収益性分析とは、企業が資本を投入することによりどれだけの利益を獲得することができたか、あるいはどれだけの利益を獲得することが可能かという視点から行う経営分析の方法のひとつです。
この分析を行うことで、どれぐらい効率的に儲けているかを見ることができます。ここではその収益性分析の方法を詳しく見ていきましょう。
損益分岐点売上高を見る
売上高と費用が同じで、利益も損失も生じない採算点を損益分岐点といいその売上高を損益分岐点売上高といいます。
損益分岐点売上高は以下の数式で求められます。
損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率
※限界利益率=1-(変動費÷売上高)
損益分岐点は、利益も損失も生じない点なので、それ以上の売上高を目指すことが目標となるのは当然ですが損益分岐点売上高を下げることができれば、より少ない売上で多くの利益を上げることが可能になります。
損益分岐点売上高を下げるには、「限界利益率を上げる」もしくは「固定費を減らす」などの方法があります。
総資本経常利益率を見る
総資本経常利益率とは、企業が全ての資本を利用して、どれだけの利益を上げているのかを示す総合的な指標です。
総資本経常利益率は以下の数式で求めることができます。
総資本経常利益率=経常利益÷総資本
この数値を高めるには、上記の数式を以下のように分解することで考えやすくなります。
(経常利益÷売上高)×(売上高÷総資本)
「経常利益÷売上高」が低い場合は、原価を減らし売上利益率を高める。販売費・一般管理費を減らす。
「売上高÷総資本」が低い場合は、余計な資産を減らす。売上高を伸ばすという方法がそれぞれ考えられます。
また上記の数値は、以下のように呼ばれています。
経常利益÷売上高=売上高経常利益率
売上高÷総資本=総資本回転率
これらの数値の分析は、それだけを見るのではなく、他の指標や会社の現状などを鑑み判断をしていく必要があります。