Column管理者のコミュニケーションスキルとは
企業風土の変化
バブル経済崩壊、またリーマンショックなど企業を取り巻く経済環境が大きく変化し企業風土も日本企業独特の年功序列型・ピラミッド型組織から成果主義のフラットな組織にシフトしてきました。さらにIT化が進み、組織のコミュニケーションスタイルも全く新しいものになりつつあります。
管理者は部下に対して指示・命令を下すという上下関係を軸にしたコミュニケーションではなく、部下とともに考え、適宜アドバイスを与えながら部下を育成する「協働」「協調」のスタンスが求められるようになってきました。
部下の話を聞く方法、何か問題を抱えていないか質問する方法、部下が自ら問題解決できるようなサポートの仕方、また褒める・叱るタイミングなど、どのように部下にアプローチしてよいかわからずに悩んでいる管理者も多いかもしれません。
「一を聞いて十を知る」のが美徳とされていた時代は終わり、世代や立場のギャップを超えて部下とのコミュニケーションを円滑にするためのポイントとしては、管理者は会社や組織の方向性、自分自身の考えをわかりやすく丁寧に伝えることが大切です。
部下のモチベーションを高めるために
部下の育成やモチベーションを高めるために、最近注目されているのが「コーチング」の技術です。管理者はチームの部下が自ら考えて行動できるように質問を投げかけたり、部下が聞いてほしいことをじっくり聞く「傾聴」がコーチングの基本です。
管理者自身が解決策を提案するのではなく、部下が自分の力で解決策を発見できるように「これからどうしたいのか?」あるいは「どうすればできると思うか?」といった未来志向の質問を投げかけるような工夫が必要です。
自ら問題解決策を発見した部下はモチベーションだけでなく、管理者に対する信頼感も高まり、部下との関係性も良い状態を保つことができます。