Column残念な印象を持たれる管理職のコミュニケーションとは
管理職だって人間ですが…
いい人なんだけど、ちょっとだけ惜しい欠点がある人を指す「残念な人」という表現がいろいろな場面で聞かれます。ただ、欠点は誰にでもあるものですから、「残念な人」という呼称には多少の愛情がこもっています。
しかし、部下を率いる立場ともなれば話は違います。管理職に残念な部分が目立ちすぎるようでは部署全体の士気に関わりますし、それが業績に表われれば組織全体に影響が及びます。
部下の手柄を横取りする、失敗を部下になすりつけるといった、いわゆる「嫌われ上司」とは違って、「残念な上司」は多少の人望があることが多いものです。
ここでは、そのように周囲から一定の評価を得ている管理職を想定しています。
人望を無駄使いする「残念」さに気づいて
せっかくの人望にミソをつける要素として、たとえば言うことがコロコロ変わる上司は残念な人の典型例の一つです。今朝の指示に従って資料を作ったのに、夕方提出したら上司が指示内容をいきなり変更し、部下は結局残業して資料を作り直す…よく聞く話です。
また、普段は物分かりがいいのに、期限や納期などについてだけはなぜか無茶ぶりをする上司も残念です。無茶を承知で残業までして間に合わせたら、「あれ?締め切り今日だっけ?早いね」などと本人はケロっとして、部下が脱力するというパターンです。
人間関係は決断よりバランス優先で
部下思いのいい上司なのに、髪形や服装がだらしないのは、非常に根本的な部分で残念な人です。こうまで「印象」が残念な人が管理職になるということは、さぞ仕事のスキルが高いのでしょう。しかし、身なりに無頓着すぎる人、清潔感に欠ける管理職は、女性の部下からの支持はまず得られません。
また、ビジネスにおいても問題があるのは言うまでもありませんね。部下を束ね、目標達成の陣頭指揮を取る立場にある管理職も、欠点のある普通の人間です。日々、様々なストレスとの闘いで疲弊しきっている場合もあるでしょう。
しかし、社会が「人との関わり」で成り立っている以上、集団を統率する管理職には決断力以上にバランス感覚が求められるということは事実のようです。
すでに発揮している「人柄の良さ」をしっかり活かしながら、コミュニケーションに辻褄の合わない部分はないかふり返ってみる姿勢は、組織に大きな収穫をもたらすかも知れません。