Column部下との距離感を適切に保つ方法
上下関係で距離を保つことの意味
組織の上下関係においては、円滑なコミュニケーションで良好な関係を築く一方で、上司と部下の間では一定の距離を保つという立ち位置が重要です。上司にあたる管理職は、部下を指揮するだけでなく、評価も行う立場にあります。
そのため、全ての部下に対して平等な接し方をすることが求められます。上司と部下が慣れ合いの関係になると、部下の言動に節度がなくなり、最悪の場合は暴走するなど、組織内のコントロールができなくなる可能性も出てきます。適切な距離を意識することは、組織の健全な維持のためにも不可欠なのです。
管理職の役割とは
「距離をとる」ということは「付き合いをしない」ことではありません。
ですが、日ごろ相談にのったりアドバイスを与えることはあっても、同期の友人や他の部下とは立場が違うということは明示しておく必要があります。適度な距離を置きつつ、部下の行動や努力には常に目を配り、適切な指示ができる管理職には、自然に信頼が寄せられるようになるものです。
そして、適切にほめる、叱るという行為で人材を育てるのも、管理職の大切な役割なのは言うまでもありません。
甘えを排除し節度ある姿勢で
社員教育で特に難しいのは「叱り方」ですが、部下を叱る目的は、上の立場から部下に「気づき」を与えて反省を促し、さらなる成長を期待するものです。部下のがんばりは率直にほめ、たるんでいるときはビシッと叱る。こうした緩急の手綱さばきが活きるのも、部下との適切な距離があってこその効果、と言ってもよいでしょう。部下は、共に目的に向かって闘うチームの仲間ではありますが、友人ではありません。
また、オフィスは友人を作る場所ではなく、なかよしクラブでもありません。管理職がその線引きの意識をしっかり持ち、甘えのない姿勢を示せば、信頼関係を築き、深めることは十分に可能なのです。