Management Column災害義援金の取扱い~災害に対して会計事務所ができること
先日の千葉県の台風15号は、大規模な停電が発生も相まって、大きな被害をもたらしました。現在は、ほぼ全面復旧しているとのことですが、まだまだ予断を許さない状況です。勢力の強い台風が増え、近い将来の地震も懸念されており、災害への備えをしっかりしておきたいものです。
災害復旧支援に尽力している方や、被災地で頑張っている地域の方々には、頭がさがる思いです。日本中で同じ思いを持ち、災害義援金を寄附したいと思っている方も多いと思います。災害義援金の取扱いについて聞かれたとき、しっかりと答えることができる体制を整えるのも、会計事務所ができる災害支援の一つの方法ではないでしょうか?
税務上の災害義援金の取扱い
災害義援金の税務上の取扱いは、支払先によって異なってきます。
個人で国・地方公共団体・日本赤十字社・中央共同募金会等を経由して災害義援金を寄附する場合は、「特定寄附金」に該当するため、寄附金控除の対象となります。控除額は、支出した特定寄附金の額から2,000円を引いた金額で、個人の所得金額の40%相当額が上限となります。法人の場合は、「国等に対する寄附金」となり、全額を損金算入することができます。
個人で、被災地域でボランティア活動をしているNPO法人に義援金を寄附した場合には、所得控除の寄附金控除か税額控除の寄附金特別控除か、どちらかを選択可能です。法人の場合は、「特定公益増進法人に対する寄附金」に該当し、特別損金算入限度額の範囲内で損金算入できます。
他にも、被災された取引先に対する寄附や、法人が自社製品を被災者に提供した場合等、様々なケースが国税庁でまとめられていますので、参考にしてください。
義援金に関する税務上の取扱いFAQ主な災害義援金の取扱い先
日本赤十字社では、様々な義援金・救援金を募集しています。中央共同募金会は、赤い羽根共同募金で有名な団体です。日本政府が直接、義援金を受け付けているものもあります。各自治体等でも、義援金についてWebサイトで案内されています。
主な災害義援金
ここでは、注目されることが多い主な災害義援金を紹介します。
- 東日本大震災義援金
- 東日本大震災の義援金は、期間を延長して受け付けています。災害の規模が大きく、復興まで長い期間がかかっています。
- 京都アニメーション放火事件の被害者義援
- 人的被害が大きかったばかりでなく、日本の誇るアニメ映像文化にも影響を及ぼす痛ましい事件でした。被害者やご遺族支援のために支援を受け付けており、災害義援金と同様に取り扱われています。
- 令和元年台風第15号の千葉県災害義援金
- つい先日の台風15号で、千葉県に大きな被害が出ました。予想を超えた被害に、多くの方が復旧のために尽力しており、義援金の受け付けも行っています。