Management Column巨大地震が来たら!?命を守る備えは大丈夫ですか?
8月8日に発生した日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震を受け、気象庁は大規模地震が発生する可能性が高まっているとして「南海トラフ地震臨時情報」を発表しました。その1週間後、期間は終了しましたが、今後も巨大地震の発生に備える必要があります。
1.南海トラフ地震とは
南海トラフ地震は、駿河湾から日向灘沖にかけてのフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界で発生するプレート境界型地震です。南海トラフ地震は、概ね100~150年間隔で繰り返し発生しており、前回は1944年と1946年におこりました。
地震調査研究推進本部の長期評価によると、マグニチュード8~9クラスの地震が今後30年以内に発生する確率は70~80%(令和4年1月1日現在)とされています。
国の被害想定では、最悪の場合、津波による死者が22万4千人に上る恐れがあります。しかし、住民の早期避難や情報伝達の改善により、被害は8割軽減できる可能性があります。
2.地震に備えた事前の対策
大規模地震発生時に被害を最小限に抑えるには、事前の備えが重要です。日頃から、地域の自治体で作成されているハザードマップの確認、避難場所・避難経路、家族との連絡手段などを決めておきましょう。また地震に備えて、以下の3点を心がけましょう。
- ①家具の固定
- 揺れによる家具の転倒や落下は、大きな危険要因になります。特に高さのある家具は注意が必要です。
- ②非常用持ち出し袋の準備
- 避難時に最低限必要となる物資を、バッグに常備しておきます。
- 【非常用持ち出し袋の例】
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- ・飲料水、食料(缶詰、レトルト等)
- ・携帯ラジオ、懐中電灯、予備電池
- ・救急セット、常備薬 ・衣類、タオル、ビニール袋 など
- ③避難経路・場所の確認
- 自宅から最寄りの避難場所までの経路を、地図などで確認しておきましょう。また、避難場所の場所や設備についても、あらかじめ把握しておくと良いでしょう。
3.地震発生時の行動
地震発生時は、まず身を守ることが最優先です。揺れを感じたら頭を保護し、落下物に注意しましょう。津波が予想される場合は、すぐに指定の避難場所へ迅速に避難する必要があります。
避難の際は、車は使わず、事前に確認した経路を徒歩で移動しましょう。避難所では、持ち出し袋を活用し、節水・節電に協力しながら秩序ある生活を心がけましょう。
- ①揺れを感じたらまず身を守る
- 地震の際は、強い揺れに見舞われます。 揺れを感じたら、まず身の安全を守ることが最優先です。揺れがおさまったら、すぐに外に飛び出さず、落ち着いて行動しましょう。
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- ・テーブルの下に隠れるなど、頭を保護する
- ・窓ガラスから離れ、落下物に注意する
- ・火の始末をし、ガスの元栓を締める
- ②津波から避難する方法
- 南海トラフ地震では、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸で、10mを超える大津波の襲来が想定されています。津波から命を守るため、迅速に避難することが不可欠です。
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- ・津波が来る前に、指定の避難場所へ避難する
- ・避難場所への経路は、事前に確認しておく
- ・避難の際は、エレベーターは使わず階段を使う
- ・車での避難は渋滞に巻き込まれる危険があるため避ける
- ③避難所での過ごし方
- 避難所では、トイレや水、食料の確保などが課題になります。避難所での生活は過酷なものですが、落ち着いて行動し、助け合うことが大切です。
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- ・非常用持ち出し袋を事前に用意しておく
- ・節水・節電に留意する
- ・避難所運営に協力し、秩序ある生活を心がける
4.地震後の対応
地震発生直後は、まず家族の安否確認を最優先に行います。避難所に分散した場合は、あらかじめ決めておいた連絡方法で安否を確かめ合います。 次に、ライフラインの復旧状況を確認しましょう。
- 【主なライフライン】
- ・電気 :停電の場合、非常用電源の準備が必要
- ・ガス :マイコンメーターが遮断
- ・水道 :断水の場合、貯水を備蓄
- ・通信 :不通の場合は災害伝言ダイヤル活用
これらのライフラインが復旧するまでは、最低限の生活が余儀なくされます。避難所での集団生活にも備える必要があります。生活再建に向けては、被災者生活再建支援金の請求を行います。また、り災証明を取得し、生活の建て直しを図りましょう。
いざという時に落ち着いて対処できるよう、日頃から社員や家族で話し合い、地震対策を怠らないことが何より大切です。備えあれば憂いなしです。
南海トラフ地震で想定される震度や津波の高さ(気象庁)
内閣府 防災情報のページ