Management Column空き家だと固定資産税が高くなる?空き家の相続対策
「特定空家」に指定されると、税金が高くなるのをご存じでしょうか?家が建っていても、その家が特定空家に指定されると、税法上の優遇装置が適用されません。
近年、空き家が社会問題となっており、税金面で空き家対策が強化されています。今回は、特定空家に指定されたらどうなるのか、税法上の優遇措置を受けたい場合の対策等についてまとめました。
「特定空家」の要件
特定空家は、法律で「特定空家等」にあてはまるもののことで、実際には、空き家の状態を見て、市町村が総合的に判断することになっています。
- 建物が著しく傾いている等、そのまま放置すると、倒壊等、著しく保安上危険となるおそれのある状態のもの
- ゴミの不法投棄場所になっている等、そのまま放置すると、衛生上著しく有害となるおそれのある状態のもの
- 多数の窓ガラスが割れたまま放置されている等、適切な管理が行われていないことで、著しく景観を損なっている状態のもの
- その他、不特定の者が自由に出入りし不法侵入が問題となる等、周辺の生活環境の保全を図るために、放置することが不適切である状態のもの
「特定空家」に指定されるとどうなる?
空き家の状態によって、市町村から法律に従った指導が行われ、これに従わないと勧告が行われます。勧告にも従わず状態が改善されない場合には、罰金が科されたりする等の措置がとられ、場合によっては、行政代執行手続きによって強制撤去等の措置が行われる可能性もあります。
税金面では、固定資産税・都市計画税が高くなります。固定資産税は通常の状態で、課税標準のもととなる価格が、小規模住宅用地では6分の1、一般住宅用地であれば3分の1になる特例が設けられています。都市計画税では、小規模住宅用地は3分の1、一般住宅用地は3分の2となっています。これが、特定空家等に指定されると、住宅用地として扱われなくなり、これらの優遇措置がなくなってしまいます。
「特定空家」に指定されないための対策
もともと国が空き家対策をしているのは、空き家を相続した場合に放置されるケースが多くなってきたからです。空き家を相続したものの、将来住む予定もなく、適切な管理が難しいという場合には、売却を検討するのも1つの方法です。売却は状態が悪くなってから売却するのは難しく、撤去するにも撤去費用がかかります。もし、将来、空き家になりそうな家があったら、生前から、売却や撤去を念頭にいれて相続対策をすることがおすすめです。
空き家を相続してしまって適切な管理ができていない場合には、特定空家に指定される前の市町村から助言や指導がはいった段階で、建物の補修等の適切な処置をして状態が改善されれば、特定空家等に指定されずにすみます。指定されてしまった場合でも、状態が改善されれば指定を解除することが可能です。