Management Column会計事務所の新規顧客獲得~競争激化に備える
会計事務所は、景気に左右されにくい職種と言われますが、景気が悪化すると新規開業が減り、既存のクライアントの中にも報酬の支払いが滞るところが増え、顧客獲得競争が激化していくと考えられます。ニュース等のメディアで景気悪化の予想が出始めているため、会計事務所でも競争激化に備え、新規顧客獲得を念頭において今から備えをしていくとよいでしょう。
会計事務所にとっての新規顧客獲得
会計事務所では、信頼できるクライアントからの紹介や口コミに頼っている事務所も多いのではないでしょうか?会計事務所という職種の特性上、納税者のために誠実に業務を行うことが求められており、派手な広告や安さを売りにした戦略を過剰に行うことは、少々問題があるといえます。
会計事務所としては広告戦略だけでなく、会計・税務等の知識・経験を高めるとともに、コミュニュケーション能力、Webを含めたマーケティング能力のアップも目指すことが必要です。
求められるコミュニュケーション能力
会計事務所では、会計・税務の高いスキルが求められるため、コミュニュケーション能力については二の次に考えてしまう傾向があります。
しかし、実際の業務で既存のクライアントと打ち合わせ等を通じて信頼関係を築くには、コミュニュケーション能力が必要になります。会計事務所では、一般の大企業のようにビジネスマナー等の研修を行っている事務所は少ないですが、夏から秋にかけて業務に余裕のある時期に、営業能力アップを目指してマナー研修等を行うのもよいのではないでしょうか?クライアントや新規の相談者に対して、きっちりとビジネスマナーを守った対応をとることができれば、他の事務所とは一味違った会計事務所であるとの印象を与えることができます。営業に苦手意識のある職員も、研修を受けることで自信がつきます。
「強みがある」「相談のしやすさ」がポイント
既存のクライアントからの紹介では、信頼関係を築きやすいため顧客獲得につながりやすいといえます。しかし、紹介以外で会計事務所を探している人は、たくさんの会計事務所から1つの会計事務所を選ぶわけですから、他の事務所と比べて、いかに差別化できるかが大切です。差別化の方法として、相続、医業、新規開業等に強いことを全面に打ち出している会計事務所もあります。
また、悩みを抱えている相談者にとっては「相談しやすいかどうか」も会計事務所を選ぶポイントになります。会計事務所では、問い合わせや最初の相談で料金が発生することはほとんどありません。しかし、わざわざ「相談だけなら無料」「初回相談無料」を広告として打ち出している会計事務所も多くあります。はじめて会計事務所に相談しようと思う人にとっては、相談無料と書いてあることで安心でき「問い合わせしてみよう」という気持ちになることができるからです。