Management Column新型コロナの世界経済への影響と企業が今すべきこと
ニュース等のメディアでは、連日、新型コロナウイルスの影響が大きく報道され、社会に暗い影を落としています。しかし、そのような中で、宅配を取り入れる飲食店、無料で教材を配布する会社、手作りマスクの型紙の無料提供等、人々を助け、自らの事業も飛躍させていこうという強いパワーを感じます。
今後が、ウイルス影響の長期化に備えつつ、企業自体を変化させていくチャンスと捉えることも必要かもしれません。
新型コロナウイルスの影響で世界経済はどうなる?
世界各地でも、新型コロナウイルスの影響が大きく、各方面の冷静な対応が求められています。株式市場では、新型コロナウイルスの影響に過敏に反応し、日経平均株価は1年2か月ぶりに2万円を下回り、NYダウは1か月で2割下落する事態となりました。反発があるものの、全体として下落する傾向にあります。
新型コロナウイルスが収束すれば、世界の工場とよばれる中国も動き出し、世界全体でヒト・モノ・カネの動きも元に戻っていくと予想されます。しかし、いつまでウイルスの影響が続くのかわからないという先の見えない不安感が、株式市場に反映しています。
歴史的にみると、グローバル市場は、リーマン・ショック等で調整局面に突入することはあっても、全体として成長し続けてきています。現在は、ショックでの調整局面と考えられます。中長期的な視点でみれば、決して悲観的な要素ばかりではありません。過度にショックを受けることなく、資産のリスク分散化を図る等の対策をしながら、冷静な投資判断をすることが大切となっていくでしょう。
(参考)ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント 新型コロナウイルスが世界経済に与える影響と今後の市場見通し中小企業がすべきウイルス対策
中長期的にみれば決して悲観的な状況にないとはいっても、企業にとっては、新型コロナウイルスの影響が長期間続いてしまうと、ヒト・モノ・カネの動きの停滞も長期に及ぶことになり、これが構造的なものへとつながっていくのではないかという不安があります。安定したウイルス検査の普及、予防薬や治療薬の開発が待たれるところですが、ニュース等の報道を見るだけで何もできないのはつらいところです。しかし、経営に携わる個人として今、できることもたくさんありますので、参考にしてください。
- 情報収集の徹底
- ウイルス感染を拡大しないためには、まずは情報収集を行うことが大切です。社員や家族の健康状態の確認と報告を徹底し、体調が悪い場合には外出しないで休養する等の措置をとらなければなりません。また、ウイルスの性質や感染状況等の情報収集を継続して行っていくことも大切です。
- 社員の教育と情報発信のチェック
- 社会が不安に陥っている中では、不安のあまりSNS等に不安をあおる情報を発信してしまう人も多くみられます。企業の中でそのような人がいると、社会不安を増長させてしまうだけでなく、企業自体の社会的信用にもかかわります。デマ・差別・誤った対策・パニック等を予防するためにも、社員教育に力を入れ、情報発信についてのチェックも行うことをお勧めします。
- 感染予防
- テレワークに代表される自宅での勤務、テレビ会議、休暇を取りやすくする、時差出勤、手洗い・マスクの徹底等、すでに取り組んでいる企業も多いのですが、ウイルス感染の影響の長期化に備え、これらの対策を無理なくできる組織作りをしていくとよいでしょう。
- 社員からのアイデア
- 新型コロナ対策では、トップの強力な指導のもとで、感染拡大を防止しなければなりません。しかし、長期化が予想される今、企業が生き延びるためにどのような手段で売り上げを伸ばしていくか、社員からのアイデアを積極的に募集するのもよい方法だと考えられます。