Management Column令和元年度税理士試験を振り返る
令和元年度8月6日から8日に渡り、第69回税理士試験が行われました。会計事務所職員の方の中には、税理士試験を受験された方も多いと思います。
今年の税理士試験について、簡単に振り返ってみます。会計事務所の経営者の方で職員の試験結果が気になる方や、実際に自分で税理士試験を受験された方は、ぜひチェックしてみてください。
受験者数の減少
令和元年度の税理士試験は、受験申込者数が減少しました。受験申込者数は3万6,701人で、前年度から4.7%減少しています。近年の税理士試験受験者数は減少傾向にあります。受験生の立場から考えると、母数が多い方が合格しやすいのが一般的な考え方ですので、受験者数の減少は頭が痛いところです。受験者数減少の理由は、労働環境や職務内容といった業界の魅力と、受験難易度が釣り合っていないからでしょうか?
しかし、これから税理士を目指す人にとっては、合格してからのライバルが少ない方がいいと思われます。受験者数減少をチャンスと思い、頑張って勉強していきましょう!
科目別の特徴
簿記論は、例年よりボリュームや難易度が抑えられた回答しやすい問題で、優先度を意識して問題を解くことが合否の決め手になるようです。財務諸表論は、計算問題と簡単な理論問題で確実に点数を取り、難易度の高い問題で部分点をいかに積み重ねることができたかどうかが勝負の分かれ目のようです。
法人税法と所得税法はボリュームが多かったようですが、回答したところは確実に点数をとり、いかにケアレスミスなく正確に回答できた部分が多いかがポイントになりそうです。
解答の詳細や他の税法科目については、各専門予備校で解答速報が公表されています。気になる方はチェックしてみてください。
令和元年度の税理士試験の特徴と次の税理士試験
令和元年度の税理士試験は、今までの税理士試験と違ういくつかの特徴がありました。まず、答案用紙がA4サイズに変更されました。また、修正テープや修正ペンの使用が可能になりました。大きな文字より小さい文字の方が、特に文章を丸暗記しなければならない税法科目では、速く多くの回答が可能になります。修正テープ等の使用は便利に思えますが、スピードを考えると、従来通りに二重線で消したほうが便利かもしれませんね。
次の税理士試験は、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されることに伴い、例年より遅い8月18日~8月20日という日程で行われることが、既に発表されています。他の人がオリンピックを楽しんでいる間に勉強をするのはつらいところですが、自分は税理士試験受験を頑張るんだという気持ちを持って、乗り切っていきましょう。次回の受験を考えている人は、今からが勉強のチャンスです。試験が終わって勉強の習慣が残っているうちに勉強をはじめ、年末からの繁忙期に備えておきましょう。