Management Column繁忙期に備える~令和元年度年末調整に向けて
消費税の増税がはじまりましたが、会計事務所での対応は万全でしょうか?報酬の自動引き落とし等で、消費税10%に対応しきれていない場合は、差額分を決算料で調整する等、柔軟な対応で乗り切るのも一つの方法です。
消費税の対応に追われて大変かもしれませんが、会計事務所はそろそろ繁忙期への準備をしていくことも必要です。今年度は、国税庁で既に年末調整のアナウンスがはじまっています。今回は、令和元年度分の年末調整準備で、注意すべきことについてまとめました。
令和2年分の給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
令和元年度の年末調整には、令和2年分の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出してもらう必要があります。略して「マル扶」とも呼ばれる、毎年お馴染みの書類になりますが、昨年のものと比べて、変更点があります。
まず1つ目の変更点が、基礎控除額引き上げに伴う金額の変更です。基礎控除額の引き上げは令和2年度からですが、これに伴い注意書きの数字が変更されています。
2つ目の変更点として、住民税に関する事項に「単身児童扶養者」欄が追加されました。税制改正で、未婚のひとり親に該当する場合、合計所得金額が135万円以下であれば住民税が非課税となることになったためです。
日本年金機構「単身児童扶養者とは、どのようなものですか。」年末調整のスケジュール
年末調整のスケジュールは各会計事務所によって様々です。ここではスケジュールの一例をご紹介しますので、参考にしてください。年末調整ソフトの更新も忘れずに行うようにしましょう。
- 10月中旬まで
- 会計事務所内で研修・勉強会・説明会等を行う。クライアント配布資料を作成する
- 10月下旬まで
- クライアントにアナウンス・資料配布等を行う
- 11月中旬まで
- クライアントから扶養控除等申告書等の書類を集める
- 12月中旬まで
- 書類の確認。不足資料の請求。12月分の給料のみ入力すればよいところまで準備する
- 12月中旬以降
- 12月分の給料が確定次第、入力して年末調整を行う
年末調整のポイント
年末調整でチェックすべきことはたくさんありますが、ここでは事前準備でのチェックポイントをご紹介します。各会計事務所で独自のマニュアルを作成しておくと便利です。
- 扶養控除等申請書等の書類を、クライアントから漏れなく回収しているか
- 今年入社の社員がいるか、いる場合は前職の源泉徴収票を入手しているか
- 保険料控除証明書等の添付書類はそろっているか
事務作業が多い年末調整ですが、計画的に進め、余裕を持って対応できるようにしたいですね。
国税庁 令和元年度分 年末調整のしかた