Management Columnそろそろ年末調整準備!改正点は?
会計事務所では、そろそろ年末調整の準備時期に突入します。コロナ禍での年末調整ということで、感染防止に気をつけなければならなかったりと大変ですが、12月にあわてなくてよいように、今からしっかり準備を進めておきたいですね。
今回の年末調整は、いくつかの変更点があります。改正点を今のうちに頭に入れておくと、計算・入力や資料請求をスムーズに行うことができます。
給与所得控除と基礎控除の変更点
令和2年の年末調整では、給与所得控除額が10万円減額されています。また、上限が220万から195万円に引き下げられています。給与所得控除が減ると、所得税が増えることになります。しかし、基礎控除額が10万円引き上げられて48万円となっているため、この分の所得税が減るので、多くの人はプレスマイナス0円となるのではないでしょうか?
注意しなければならないのは、給与収入が高い人です。給与所得控除額が上限になっている人は、上限額が引き下げられるため、所得税が増えることになります。また、基礎控除も所得によって段階的に減額されるため、増税額が大きくなることになります。
所得金額調整控除・寡婦(寡夫)控除等
所得控除に関して、他にもいくつかの変更点があります。 1つ目は、新たに所得金額調整控除が新設された点です。給与等の収入が850万円を超え改正の増税の影響がある場合でも、本人が特別障害者・年齢23歳未満の扶養親族を有する・特別障害者である同一生計配偶者又は扶養親族を有するときには、所得金額調整控除の対象となり、増税を回避できます。
2つ目は、未婚のひとり親も控除を受ける対象となった点です。改正前は、同じひとり親の場合でも未婚の場合は「寡婦(寡夫)控除」の対象になっていませんでした。「ひとり親控除」と「寡婦(寡夫)控除」があるため、どちらに当てはまるか注意が必要です。 3つ目は、給与所得控除の減額と基礎控除の増額の影響により、配偶者控除や扶養控除等を受けるための合計所得金額要件が変更になっている点です。実質的には、給与所得控除と基礎控除の割合が見直されただけのため、影響を受ける人は少ないでしょう。
書類の変更点
改正に伴い、提出書類も変更がされています。 まず、基礎控除・配偶者控除等・所得金額調整控除の申告書が一体化され、「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」が新たに作られています。
また、源泉徴収票の様式が変更になっており、基礎控除額・所得金額調整控除額・ひとり親の欄が追加されています。
令和3年分扶養控除等(異動)申告書や令和2年分保険料控除申告書等の書類は、国税庁のWebサイトで既にダウンロードできるようになっていますので、確認してみてください。