Management Columnどの会計事務所でもできるマニュアル作り
新年度がはじまり、新スタッフが入所してきた会計事務所も多いかもしれませんね。コロナ禍でテレワーク中心という事務所もあるかもしれませんが、これから一緒に働く仲間を歓迎する気持ちは持っておきたいものです。
たくさんの事務作業や雑用があり、新スタッフが入所したり、クライアントの担当が変更になったりという場面で、マニュアルがあると便利だと思うことはありませんか?会計事務所では、マニュアルがないところも多くある一方、うまくマニュアルを活用し、業務を効率化している事務所もあります。不測の事態に備えるという意味でも、マニュアルがあると安心ですよね。今回は、どの会計事務所でも作成可能なマニュアル作りをご紹介します。
会計事務所での業務の特徴とマニュアルの効果
会計事務所では、他の業種とは違う業務の特徴があります。スタッフがクライアントを担当し、その担当者が会計資料や帳簿を受け取り、入力やチェックを行い、クライアントに試算表等を渡して説明するといった流れで仕事を行っています。そのため、クライアントと担当者の信頼関係が重要となります。クライアントごとに異なる「どのような資料を受け取るか」「クライアントがどのような悩みを持っているか」「入力するときに注意すべきことは何か」といった担当者だけが知っている事柄が多くあります。
もし、クライアントごとにマニュアル作成が可能であれば、担当者の急病やスタッフ変更にも慌てずにすみます。上司や税理士がマニュアルを閲覧することで、どのような作業を普段行っているかが分かりますし、また、マニュアル作成過程で、担当者自身が、改善すべきことに気付くこともあります。
クライアントごとにマニュアルを作成する
クライアントごとに、ノートや訪問帳を作成している会計事務所も多いと思います。受け取った資料やクライアントとのやり取りを記録することで、後のトラブル回避につながるため重要な作業といえます。もし、これらの作業を行っていないのであれば、ぜひ行うことをお勧めします。
マニュアルは、こららのノートや訪問帳にプラスする形で、たとえば一番トップのページに付け足すと便利です。手書きのノートであれば印刷して付け足すとよいでしょう。クライアント訪問の場所、連絡先、訪問日に行ったこと、受け取る資料、渡さなければならない資料、注意点を書いておくことで、誰でもそのマニュアルを見ればクライアント訪問を不安なく行うことができるようになります。
会計事務所内での作業をマニュアル化する
マニュアル作りは大変で手間がかかると感じる方もいるかもしれませんが、クライアントごとに行う業務の他、パソコン操作の手順から事務所内の作業まで、マニュアルを作るのに、それほど手間はかかりません。
スタッフの引継ぎを行うときに、引き継がれるスタッフはメモ用紙を片手に、仕事を教えてもらうことになると思いますが、そのメモがマニュアルの元となります。パソコン操作の場合は、スクリーンショットをとって印刷すると分かりやすいでしょう。メモやパソコン画面のスクリーンショットを、誰が見ても分かりやすいようにエクセル等でまとめて印刷すれば、それがマニュアルとなります。
これから自分が行わなければならない仕事の手順を見直し頭の整理もできますし、各スタッフが作成したマニュアルを1つのフォルダにまとめ、他のスタッフが作成したマニュアルを閲覧することができるようにすると便利です。
申告書や決算書
申告書や決算書については、国税庁等でチェックシートが配布されており、活用している会計事務所も多いと思います。
これに、事務所独自に気付いたことを付け足すことで、より使いやすいチェックシートを作成することができます。国税庁や市販のチェックシートをエクセルシート等にし、編集していくと便利です。決算・申告ごとに印刷してチェックすることで、ミスの防止が可能となります。