Management Column簡単にできる!会計事務所のコミュニュケーション能力の向上
年末年始は、会計事務所にとって忙しい時期ですが、クライアントを増やすチャンスの時期ともいえます。問い合わせがあった方の信頼を得ることができたり、既存のクライアントからより信頼され紹介を受けたりすれば、新規クライアント獲得のチャンスとなります。
「信頼」とは、一朝一夕で獲得できるものではありませんが、コミュニュケーション能力が高ければ、より短期間で信頼を獲得できるのではないでしょうか。今回は、会計事務所スタッフが、コミュニュケーション能力を簡単にあげる方法を考えていきます。日常生活での人間関係向上にも役立ちますので、参考にしてみてください。
コミュニュケーション能力は競争力強化につながる
多くの会計事務所は、一般企業に比べると、少数の限定されたスタッフで構成され、クライアントも比較的固定されており、高いコミュニュケーション能力が求められることが少ないといえます。
また、会計事務所のトップである税理士は「士業」であり、社会的信頼があるため、高いコミュニュケーション能力がなくても信頼や尊敬を得ることができます。一般企業での経験を経ないで税理士となった方は、営業方法などの知識・経験を得る機会も少ないでしょう。
これらの理由から、会計事務所は一般企業よりコミュニュケーション能力が低いと言われますが、少し「コミュニュケーション能力を高めていこう」という意識があれば、向上させることは可能です。コミュニュケーション能力の高い会計事務所であることは、他の会計事務所に対する競争力の強化につながります。
コミュニュケーション能力が高い業界を参考にする
コミュニュケーション能力は、知識だけで向上するものではなく経験が大きく影響します。まずは、身近なところで、クライアントの営業担当者などの会話を参考にしてみてはいかがでしょうか。また、保険や不動産の営業マンの話し方も参考になりますので、実際に会話をしてみるとよいでしょう。
もし、クライアントからクレームがあったときには、どのように対応したらよいのでしょうか。相手がイライラしている場合の対応については、カスタマーセンターの電話オペレーターの対応が参考になります。実際にカスタマーセンターに電話をかけてみると、「相手を大切にしつつ、謙虚な姿勢で相手の気持ちを沈め、ていねいに謝罪する」という対応をしていることがわかります。
ここで大切なことは、日常生活でも「参考になる会話を探す」ことと、発見したことを「事務所で共有する」ことです。事務所の会議などでコミュニュケーション能力を高めるための課題を出し、次回の会議で報告しあうのもよい方法です。
コミュニュケーションの具体例
最近では、電話のみでなくオンラインでの会話も増えているため、今まで以上に明瞭で聞き取りやすい会話を心がけることが大切です。また、マスクごしの会話だと表情がわかりづらいため、言葉自体で相手に伝えなければならず、より一層、言葉の使い方に気を付けなければなりません。
例えば、以下のような具体例を参考にしてください。使うことのできる言葉が自分自身の中に蓄積されればされるほど、状況に応じて使い分けることができますので、どんどん増やしていきましょう。
- 知らせや報告を受けた時・・・ご一報、ありがとうございます。
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