Management Column駆け込み確定申告、どの時点まで依頼を受ける?
3月に入ると、会計事務所スタッフは、カレンダーを見ながら確定申告まで何日あるのか、心の中でカウントダウンをしながら業務を進めている方もいるかもしれません。この時期、心配なことは確定申告期限間近になってからの依頼です。
確定申告の依頼があったら、どの時点まで受け入れるのか、他の事務所はどうしているのか気になるところです。せっかくの依頼なので、できれば受け入れたいけど、日程が厳しい・・・。そのような場合に、他の事務所はどのように対応しているのでしょうか。今回は、確定申告依頼があった場合の対応をご紹介しますので、参考にしてください。
確定申告の依頼を受け入れる期限
いつまでだったら確定申告の依頼を受け入れるのか、これは事務所によってさまざまです。ある事務所では2月に入ってからの確定申告の依頼は受け付けないそうです。業務の流れやスタッフにかかる負担を考えると、そのような方法もうなづけます。
しかし、3月に入ってからの確定申告依頼を受け付けている事務所もあります。これは、確定申告で困っている依頼者をなるべく受け入れていきたいという所長やスタッフの思いがあるからだそうです。困った時にはいつでも相談にのってくれる会計事務所は、地域密着型の会計事務所として信頼されるでしょう。
依頼の受け方の工夫と事前準備
期限ぎりぎりの確定申告期限を受け入れるには、すでに空いていないスタッフのスケジュールを空ける必要があります。申告期限ぎりぎりの依頼について、以下のような対応をとっている会計事務所があります。
「確定申告といっても、その手間は内容によって異なり、手間がかかる事業所得や不動産所得がある新規の依頼者の場合、資料がそろっている状態の2月中の依頼であれば、期限に間に合う申告をする。確定申告の内容が、医療費控除、ふるさと納税、給与所得者の場合であれば手間が少なくてすむので、で、3月中でも受け付ける。3月中に手間がかかる確定申告の依頼があった場合には、期限後申告になるかもしれないという断りをしてから、依頼を受ける。」この方法であっても、確定申告間際のスタッフの時間を空けるためには、11月、12月に入ったあたりからクライアントの確定申告の確認や資料収集をしなければならないでしょう。駆け込みの確定申告依頼を受け入れるには、事前の準備が大切です。
事務所独自の確定申告相談会を設定する
駆け込みの確定申告依頼を受け入れる方法として、ユニークな方法をとっている事務所を紹介します。3月初旬に事務所独自の確定申告相談会を設定し、事前に必要書類などをWebサイトや地域の広報などで周知させ、不特定多数の人に来所してもらうという方法です。相談会では、事業所得や不動産所得がある新規の依頼者の依頼を受け入れるのは難しいですが、手間がかからない確定申告であれば、その場で処理を行い、依頼者の前で確定申告をすませてしまうそうです。
この方法であれば、スタッフの日程をあけておくのは相談会の日のみでよく、地域の信頼を得ることもできます。