Management Column税務調査で多く指摘されるものは?
会計事務所にとって税務調査の連絡が入り対応することは、避けられない日常業務の一つともいえます。税務調査は、時期、地域、社会情勢にもよりますが、一般的には、会計事務所の繁忙期や税務署の人事異動・業務の少ない時期に集中し、7月から11月頃に多いといわれています。5月の申告時期が終わると、今度は税務調査で大慌てということがないようにしたいですね。
会計事務所では、会計処理が行われた事項の全てに注意を払っていますが、税務調査で指摘されやすい事項を念頭においてチェックを行うと、より安心できるのではないでしょうか。今回は、税務調査で指摘されやすい事項についてまとめました。
売上の計上漏れ・翌期計上
売上の計上漏れは、税務署が最も注意を払っている事項です。過年度と比較して売上や利益が大きく増減した場合、申告漏れがないかどうか税務署から注目されることがあります。
事業上の廃材などを売った代金を現金で受け取っている場合、収入として計上しなければなりません。しかし、中には経営者がポケットマネーとしてしまっていることもあります。帳簿だけでなく、事業の流れを把握して、通帳などにあらわれていない収入がないかどうか把握し、申告書に反映させることが大切です。
また、期末近くの売上を翌期の売上とするケースも多いです。売掛金の計上漏れのケースです。通年で考えると計上する時期が違うだけのように思われますが、税務署では当期の売上を翌期の売上としたケースについても、指摘することがあります。期末にはしっかりと売掛金チェックをするようにしましょう。
経費の二重計上・水増し
経費を計上する際に、クレジットカードで支払った分があると、領収書とクレジットカードの明細書の両方から経費を計上してしまい、二重計上となってしまうことがあります。領収書から入力している場合には、必ずクレジットカード払いかどうかをチェックするようにし、元帳をチェックする際には日付・内容・金額から二重計上されているものがないかどうかに注意を払うようにしましょう。
交際費や外注費は税金を少なくするために水増しされやすい項目で、税務署も注意してチェックします。領収書の日付、金額、内容などを見て、不自然なところがないかチェックするようにしましょう。
期末在庫の計上漏れ
商品を扱っている場合、決算で期末棚卸しを行います。期末在庫が少なければ売上原価が増えるので、利益は少なくなります。したがって、在庫の計上漏れがないかどうかは、税務調査に注目されやすい事項です。
会社が棚卸表を作成し、これに基づいて決算処理を行っていくことになりますが、棚卸表に記入される価格や金額が消費税込みかどうかにも気をつけましょう。