Management Column世界のちょっと変わった税金
日頃、税金に頭を悩まされている会計事務所職員の皆様にとって、税金とは煩雑に改正があるやっかいな法律です。同時に、税法が難解であるからこそ会計事務所が必要になるともいえ、生計を立てるための手段ともいえるでしょう。 難解で生計手段でもあり、面白みのなさそうな税金も、世界を見渡せば一風変わった「えっ?」と驚くものがあります。クライアントとの雑談の中でも、面白い税金の話をすることができれば、「さすが税金のプロ!」と思われることもあるかもしれませんね。
渋滞税
車を運転している方にとって、渋滞は是非とも避けたいものです。
イギリスのロンドンで、慢性的な渋滞を解消するために、2003年に渋滞税が導入されました。渋滞課税圏が決められ、日本の有料道路のように、決められた道路を走るときに課税されるという仕組みでした。「ハイブリッドカーには課税されない」「休日や時間帯によって無料」等の様々な措置とともに運用され、渋滞が30%程度緩和されたという効果があったようです。
渋滞税は良いアイデアに思えるかもしれませんが、その地域をよく利用する人にとっては困った税金となりますし、その道路を通る配送業者に課税されると通販等の送料が高くなる可能性もあるので、反対意見も多くあがりそうですね。
ジャンクフード税
肥満による健康被害は、世界各地で問題となっています。食生活改善のために、様々な国でジャンクフードに対して課税する政策がとられています。
台湾では、子どもの肥満問題が深刻化していたため、2009年にケーキ、ファーストフード、砂糖を多く使った飲み物等に特別に課税するという指針が発表されました。続いて、2010年にルーマニアで、2015年にアメリカの一部地域で同様のジャンクフード税が導入されていきました。中でも2011年にハンガリーで施行された、スナック菓子等を対象とした「ポテトチップス税」は有名です。
入湯税
最後に、日本の温泉では馴染みのある「入湯税」についてご紹介します。日本の入湯税は、世界から見れば個性的な税金の一つです。入湯税は、鉱泉浴場における入湯行為が対象で、標準税率は1人1日150円です。100円未満が切り捨てられない特別な措置が取られています。
税収は総務省が出した平成28年度の決算額では224億円となっています。日本は温泉大国と言われていますが、温泉からの税収も多いですね。目的税である入湯税は、鉱泉源の保護管理施設等の施設整備や観光の振興、観光施設の整備等に使われています。