Management Columnクレジットカード手数料は課税?非課税?
会計事務所でも、クレジットカード手数料の取扱いは間違えやすく、時々、税務調査で問題となったケースも耳に入ってきます。
クレジットカード決済が多い場合には、累積すると金額が多くなってしまい、非課税である手数料を課税としてしまうと、消費税の額も変わってきてしまうからです。今回は、クレジットカード手数料の取扱いについて考えていきます。
キャッシュレス化社会で増える手数料の種類
日本でも、キャッシュレス化社会の兆しが見え始めてきています。クレジットカードをはじめとして、Suica(スイカ)、PayPay(ペイペイ)等、現金以外の支払い手段が多様化しています。中でも、2019年9月でサービスが終了する7pay(セブンペイ)事件は記憶にも新しいのではないでしょうか?
支払い手段が多様化し消費者にとって便利になる一方、売上を計上する側は、様々な支払方法に対応しなければならず、税務処理でも手数料の課税・非課税に注意を払わなければなりません。
クレジットカードの手数料の取扱い
国税庁では、クレジットカードの手数料について、質疑応答事例を公開しています。回答要旨によると、消費者と加盟店、共にクレジットカード会社に払う手数料は非課税です。加盟店の仕訳は、次のようになります。
(借方)普通預金 ×× (貸方)売掛金 ××
(借方)支払手数料 ××(非課税)
売掛金はいずれ課税売上となるのに、これに対応する支払い手数料が非課税なのは、加盟店側としては疑問ですよね。その理由は、商品やサービスの提供に対する売上債権はクレジットカード会社が回収するため、加盟店から見ると売上債権をクレジットカード会社に譲渡したことになり、差額である支払手数料は債権売却損の性質を持つからです。
国税庁 クレジット手数料クレジットカードの手数料は課税となる場合もある
店が直接、クレジットカード会社の加盟店になるのではなく、店とクレジットカード会社との間に、決済代行会社を介在するケースがあります。店側としては、複数のクレジットカード会社の加盟店となる手間を省きつつ、複数のクレジットカードに対応できるというメリットがあります。この場合、店が決済代行会社に払う支払手数料は、システム利用料であるケースが多く、課税と判断されます。
クレジットカード手数料は、国税庁の回答要旨のように、店が直接、クレジットカード会社の加盟店であるケースでは、基本的には非課税扱いのものが多いのですが、中には、差額の中にシステム利用料等の費用が含まれている場合があります。差額の内容がが全て非課税となるかどうかは、明細を確認しなければ分かりませんので、注意が必要です。