Management Column被災した場合の税金上の取扱い~災害時の減免制度等
この度の台風第19号では、広い範囲にわたり大きな被害が発生しました。被害を受けられた皆さま方に、心からお見舞い申しあげます。地球温暖化の影響により、今後も同じような台風が発生してもおかしくないとメディア等でアナウンスされています。今回は被害が少なかった地域でも、ハザードマップや避難場所を確認する等の備えをすることが大切です。
今回は、実際に災害にあってしまった場合に、税金上、どのような申告・納税等の手続きがあるのかについて、まとめました。
所得税の雑損控除と災害減免法による軽減・免除
所得税の雑損控除は、災害や盗難などで資産に損害を受けたときに、損失金額を所得控除できる制度です。損失額は「損害金額+災害等に関連したやむをえない支出の金額-保険金等により補てんされる金額」で計算し、3年間、繰越控除が可能です。
災害減免法は、災害で住宅や家財に損害が出た場合に、損害額と所得金額に応じ、所得税が軽減または免除される制度です。この制度の適用を受けるには、損害額が時価の2分の1以上で、災害にあった年の所得金額の合計が1,000万円以下であることが必要です。雑損控除と併用することはできず、有利な方を選択することになります。
納税の猶予と申告等の期限延長
納税者が災害により被害を受けた場合には、納税の猶予制度を利用することができます。納税の猶予は、損失金額や状況により、最長で3年間の猶予が可能です。
災害等の理由により申告・納付をその期限までにできないときは、その理由のやんだ日から2か月以内の範囲でその期限を延長することが可能です。この期限延長の申請は、期限が経過した後でも行うことが可能です。
災害に関する法人税等の取扱い
国税庁では、災害に関する法人税・消費税及び源泉所得税の取扱いについてのFAQをまとめています。法人に災害による損失が発生した場合や、被災者に対する支援を行った場合等の詳細な取り扱いが掲載されていますので、参考にしてください。
国税庁 災害に関する法人税、消費税及び源泉所得税の取扱い地方税でも、固定資産税、不動産取得税等で税金の減免制度が多数あります。特に、賦課課税方式を採用している固定資産税等では、減免を受けるための申請等の手続きを忘れがちです。手続き等も、地方団体によって異なる場合があるので、会計事務所としては、どのような制度があり、どのような手続きが必要なのかをしっかりと把握し、被災された方の負担が少なくなるように努めたいですね。