Management Columnふるさと納税・分配金・不動産所得での疑問点
確定申告期限まで一か月を切りましたが、日本では新型コロナウイルスにより、様々な影響が出てきています。税務署でも、確定申告会場でのマスク着用・アルコール消毒薬の使用や、e-TAXの利用を呼びかけています。引き続きしっかりと感染予防を心掛けていきたいですね。
今回は確定申告を行うにあたり、ふるさと納税での返礼品の取扱い・人格のない社団から受ける分配金・不動産所得で気になる疑問について解説していきます。
ふるさと納税での返礼品の取扱い
ふるさと納税を行った場合、支払った金額が寄附金控除の対象として取り扱われるのは、ご存じの通りです。ふるさと納税の返礼品は、ふるさと納税を行う大きな楽しみといえます。返礼品を受け取った場合、寄附金控除を受けられると考えるだけで、返礼品については確定申告に関係ないと考えている人がほとんどではないでしょうか?
実は、ふるさと納税での返礼品は、法人からの贈与とみなされ、時価相当額を一時所得の総収入額に算入しなければなりません。また、その返礼品を得るために支出したふるさと納税の寄附金額は、収入を得るための支出した金額に該当しないとされています。
実際には、一時所得には最高50万円の特別控除額が認められているので、影響がない人が多いと考えられますが、ふるさと納税の返礼品の金額が高い人は、注意する必要がありそうです。
人格のない社団から受ける分配金
配当所得は、配当金の種類が多いうえ、分離課税・総合課税を選択することができ、源泉されているかされていないかでも税務上の処理が変わってくるので、処理する側としては混乱することが多い所得の1つといえるでしょう。ここでは、間違えやすい人格のない社団から受ける分配金について、まとめてみました。
通常の企業からの配当金ではなく、人格のない社団から分配金を受け取った場合は、税務上、どのように処理されるのでしょうか?配当所得は、公益法人等及び人格のない社団等を除く法人から受ける利益の配当・剰余金の分配等に限られるため、人格のない社団から受ける収益の分配金は雑所得とされます。ただし、人格のない社団等の解散により受ける清算分配金や脱退による持ち分の払い戻しは、一時所得とされるので注意が必要です。
不動産所得の収入と必要経費
確定申告では、不動産所得を取り扱うケースが多くなります。不動産所得は、収入から必要経費を差し引いて計算されますが、この収入と必要経費について間違えやすい代表的な注意点は次のとおりです。
まず、収入について、敷金・保証金の中には、返還されるもの・されないものがあります。このうち、返還が必要でない部分は収入となりますが、その計上時期は、契約の終了時ではなく、返還が必要ないことが確定した年となります。
次に必要経費について、不動産を取得するために必要な借入金の利子は、原則として必要経費とされます。しかし、借入金は通常、不動産を取得する前に行われるため、その不動産の使用開始前から利子の支払いがスタートする場合があります。不動産の使用開始前の期間に対応する借入金の利子は、取得価額に算入されるため注意が必要です。