Management Columnオリンピックに関係する税金の特例
コロナ禍の中、国をあげて新型コロナ対策を行い、ワクチン接種も徐々に進んでいます。とはいえ、まだまだ油断はできません。東京オリンピック開催も賛否両論ですが、開催の方向で準備が進められているようです。オリンピックが開催されるのであれば、気持ちよく開催され、その後、新型コロナウイルスが拡大するということがないように願います。
さて、その東京オリンピックですが、世界的なスポーツの祭典ということで、税金面でも様々な優遇措置が設けられています。今回は、オリンピックに関係する税金の特例をご紹介いたします。
オリンピック・パラリンピックの報奨金
オリンピック・パラリンピック競技大会のメダリストは、日本オリンピック委員会、日本パラリンピック委員会から、報奨金が支給されることになっています。スポーツ庁によると、金メダルでオリンピックでは500万円、パラリンピックでは300万円、銀メダルで200万円、銅メダルで100万円とされています。これに加え、各競技団体からも賞金や報奨金が出るようです。
賞金や報奨金は、一般的には一時所得として課税対象になります。しかし、オリンピック・パラリンピックに限り、メダリストの栄誉を称える観点から、日本オリンピック委員会・日本パラリンピック委員会・これらの加盟団体からの賞金・報奨金に限り、所得税・住民税が非課税となります。
スポーツ庁 メダリストに対する報奨金の非課税措置について宿泊税の課税停止
宿泊税は各自治体が独自に実施している地方税で、宿泊税を定めている自治体にある地域の宿泊施設に宿泊し、一定の条件に該当することで課税されます。この宿泊税が、オリンピック・パラリンピックが開催される期間を含む一定の期間は停止されます。
例えば東京都の場合は、1人1泊10,000円未満の場合は非課税、10,000円以上15,000円未満の場合は100円、15,000円以上の場合は200円となっています。この宿泊税が、令和2年7月1日から令和3年9月30日までは、都内の旅館・ホテルの宿泊者全てに対して課税が停止されます。
東京都主税局 宿泊税非居住者・外国法人の課税の特例
オリンピック・パラリンピックの選手、スタッフ、関係業務を行う外国法人・外国メディア等の非居住者、外国法人に対して、所得税や法人税等を課さないという特例が創設されています。これには、二重課税を排除し、租税条約があるかないかによる不均衡をなくすという目的があります。
国税庁 平成32年に開催される東京オリンピック競技大会又は東京パラリンピック競技大会に参加等をする非居住者及び外国法人に係る課税の特例の創設