Management Column「駆け込みふるさと納税」の注意点
先日まで暑い日が続いていたと思ったら、あっという間に気温が下がり、冬が近づいてきたと感じますね。会計事務所では、そろそろ忙しくなってくる季節となり、繁忙期に備えて準備をはじめているところもあります。この季節になると、「ふるさと納税をしようと思っているんですが・・・」と、クライアントから相談されることがあります。ふるさと納税で今年度分の税額控除を受けるには、12月末までが期限となるからです。
年末が近くなり、あわててふるさと納税をすることを「駆け込みふるさと納税」と呼ぶこともあります。今回は、駆け込みふるさと納税の注意点についてまとめました。
ふるさと納税の申込期限
個人が今年度の税金について、税額控除を受けるためにふるさと納税を行おうとする場合、1月から12月までの所得税の計算と同じように、12月までのふるさと納税で計算します。ふるさと納税は年間を通じていつでも行うことができますが、税額控除を行うことができるのは「12月31日までに入金が完了したもの」となります。入金完了日は、受領証明書に記載されている受領日(入金日)で確認することができます。
ふるさと納税では、自治体によって年内の申込期限が異なりますので、まずはふるさと納税を行いたい自治体の年内の申込期限を確認しましょう。支払い方法が、送付されてくる納付書や銀行振込みによるなどによる場合には、入金が年内に完了しない危険性があります。
ワンストップ特例制度の期限
給与所得者など確定申告不要な人がふるさと納税を行う場合、「ワンストップ特例制度」を利用することができます。ただし、ふるさと納税先の自治体数が5団体以内で、各ふるさと納税先の自治体に申請書を提出する必要があります。この申請書の提出期限は、ふるさと納税を行った翌年の1月10日(必着)となっています。
多くの自治体では、申込時に希望することで、寄付の受領書と一緒に「ワンストップ特例申請書」が届きます。これを本人確認書類と一緒にふるさと納税を行った自治体に返送します。返送したものが到着する期限が1月10日ですので、年末年始で郵便が混雑することも考えると、なるべく年末ぎりぎりでふるさと納税を行うことは避けたいものです。
寄付する金額
ふるさと納税は寄附金控除をねらってのものですが、寄付する金額には限度額があり、限度額を超えて寄付した分は税額控除がなく、全額自己負担となります。限度額は、年収や家族構成、各種保険料控除、住宅借入金等特別控除などによって変わってきます。
正確な限度額は1年が終わって計算してみないと分かりませんが、ある程度のシミュレートをすることはできます。事業を行っていて月ごとの収入の変動が大きい場合には、できるだけ限度額ぎりぎりでの寄付を避けるとよいでしょう。
また、ふるさと納税は、あくまで「寄付」です。返礼品によってお得感がありますが、節税対策とは意味が異なる点についてもしっかりと頭に入れておきたいポイントです。