Management Column固定資産税の申告が必要な場合
新年、あけましておめでとうございます。
1月には、償却資産税の申告業務があります。固定資産税がかかる固定資産には、土地、家屋、事業用の償却資産がありますが、会計事務所が通常業務として行うのは、主に償却資産税の申告となります。土地、家屋についてはどのように税金が決まるのでしょうか。今回は、固定資産税の申告についてまとめました。
固定資産税は、地方税になります。基本的には全国で同じような課税がされていますが、都の区や市町村ごとに条例によって異なる場合があります。詳しい情報は、その地方団体のWebページで確認するか、問い合わせを行うとよいでしょう。
固定資産税は台帳課税主義
各市町村には固定資産課税台帳が備え付けられています。この固定資産課税台帳には、固定資産の所在、価格、所有者の住所や氏名などがすべて1月1日の現況によって登録されています。固定資産税は、この固定資産課税台帳の登録事項に基づいて課税され、台帳課税主義と呼ばれています。
固定資産課税台帳としては、登記簿に登録されている土地や家屋について、土地課税台帳と家屋課税台帳が作成されます。登記簿に登録されていない土地や家屋についても、土地補充課税台帳と家屋補充課税台帳が作成されます。事業用の償却資産については、登記簿がないため、所有者からの申告に基づいて償却資産課税台帳が作成され、これに基づいて課税が行われます。
土地・家屋について申告が必要な場合
- ①住宅用地
- 土地については、原則として申告義務が課されていませんが、住宅用地については課税標準の特例措置が講じられており、必要な事項を把握するために、その市町村の条例によって申告制度が設けられています。ただし、前年度の所有者が引き続き住宅用地を所有し、かつ、その申告すべき事項に異動がない場合は、申告の必要はありません。
- ②現所有者の申告
- 土地と家屋について、登記簿・土地補充課税台帳・家屋補充課税台帳に所有者として登記・登録されている個人が死亡している場合には、その市町村の条例によって、現所有者に申告義務があります。
償却資産が売買されて所有権が留保されている場合には?
償却資産の売買があった場合に、売主が所有権を留保しているときは、その償却資産は売主と買主の共有物とみなされ、売主と買主が連帯納税 義務を負います。
ただし、実際には、社会の納税意識にあうように原則として買主に対して課税するものとされていて、申告についても、原則として買主が行うものとされています。
また、契約上では売買であることが明記されていなくても、賃貸借期間満了後に借主に無償で譲渡するなど、実質的に所有権留保付売買とみなされるような場合を含みます。