Management Column年末調整はチェックリストで効率的に
11月に入り、年末調整が本格的に始動しはじめる頃です。年末調整は、年末の慌ただしい時期にやるべきことがたくさんあるため、スケジュール管理が重要です。どのような手順で年末調整を行うか、年内還付のクライアントはどこなのか、最終の給料日はいつなのかなどをしっかりと把握しておきましょう。事前のクライアントへの連絡も、過不足なく行うようにしましょう。
今回は、効率的な年末調整を行うために、会計事務所が用意すべきチェックリストについてまとめました。
会計事務所内のスケジュール管理表
年末調整では、担当者が年末調整書類をクライアントから収集しなければなりません。必要な書類は、クライアントがどこまで年末調整を会計事務所に依頼しているのかによっても違います。
会計事務所が給与計算から年末調整の全てに携わっている場合には、12月分の給与計算に必要なデータをいつ入手できるのかを考えて、年末調整スケジュールをたてる必要があります。クライアントによって、給料の締め日が異なります。締め日が遅い場合には、どうしても年末調整が終了するのも遅くなります。このような場合には、12月分の給料が確定したらすぐに年末調整が完了するように、事前に他の部分の入力を済ませ、最後に12月分の給料を入力を行うだけの状態にしておくとよいでしょう。
複数のクライアントの年末調整をスムーズに行うために、年末調整資料の収集、給料計算、入力、書類作成、クライアントへの書類の送付を行ったかどうかのチェックリストを作り、予定の日付と実際に終了した日付の両方を書き込めるようにしておくと、来年のスケジュール管理の参考にすることができます。
クライアントへ送付するチェックリスト
年末調整は、クライアントの経理担当者に、従業員の年末調整書類を収集してもらわなければなりません。経理担当者に年末調整の知識があっても、従業員は知識がある人ばかりとは限りません。書類に不備があると時間がかかってしまいますので、あらかじめ、従業員が年末調整書類を準備する際にチェックすることができるチェックリストを渡しておくとよいでしょう。
チェックリストには、例えば、「家族の状況に変化がないかどうか」「控除証明書がそろっているかどうか」など、不備が発生しやすい項目を中心にするとよいでしょう。国税庁のWebサイトに、参考となるチェックリストがありますので参考にしてください。
国税庁 年末調整を受ける際の注意事項会計事務所内でのチェックリスト
会計事務所では、クライアントの従業員が提出した書類をチェックし、年末調整計算を行わなければなりません。ミスなくスムーズに年末調整を行うために、会計事務所内で使用するチェックリストを作成しておくとよいでしょう。
クライアントの従業員にはチェックリストも一緒に提出してもらい、その従業員のチェックリストをもとに確認作業をすると効率的です。そのほか、会計事務所内で行わなければならない作業をリストとしてまとめ、チェックリストとするとミスが少なくなります。会計事務所で行う年末調整作業のチェックリストも、国税庁のWebサイトで公開されていますので、参考にしてください。
国税庁 令和4年分 年末調整チェック表