2-1 仕訳の基礎を理解する
2-2 現金の入出金:具体的な処理事例
2-3 預金の入出金:具体的な処理事例
2-4 保険請求および仕入の処理事例
2-5 給与支給の処理事例
2-6 固定資産購入時の処理事例
2-7 減価償却費の処理事例
2-8 賞与引当金の処理事例
2-9 保険積立金の処理事例
2-10 前払費用の処理事例
2-11 仮払金の処理事例
2-12 医療特有の処理事例
1   保険請求収入の処理

病医院では、毎月、前月分の保険請求を社会保険支払基金、国民健康保険連合会に10日までに請求を行います。経理処理においても、それぞれの保険請求を売上げとして計上します。

具体的には次のような取引となります。

(1)毎月月末に計上

事例1
社会保険支払基金に保険収入150万円の請求を行った。
借   方 貸   方 摘   要
医業未収金1,500,000円 社保請求収入1,500,000円 社保請求収入

事例2
国民健康保険連合会に保険収入200万円の請求を行った。
借   方 貸   方 摘   要
医業未収金2,000,000円 国保請求収入2,000,000円 国保請求収入


2   保険請求収入の入金時の過誤調整処理

毎月、社会保険支払基金より20日前後、国民健康保険連合会からは26日前後に2ヶ月前の請求分が振り込まれます。
この時に、返戻等により2ヶ月前の請求金額と同額が振り込まれることはまれであり、請求金額より多かったり、少なかったりと差額が生じることがあります。実際の振込確定額と請求額の差額を一致させる処理を過誤調整といいます。具体的には次のような処理となります。

事例1
社保確定額が請求額より2万円多かった場合
借   方 貸   方 摘   要
医業未収金20,000円 社保請求収入20,000円 社保過誤(+)

事例2
社保確定額が請求額より3万円少なかった場合
借   方 貸   方 摘   要
社保請求収入30,000円 医業未収金30,000円 社保過誤(−)

事例3
国保確定額が請求額より10万円多かった場合
借   方 貸   方 摘   要
医業未収金100,000円 国保請求収入100,000円 国保過誤(+)

事例4
国保確定額が請求額より8万円少なかった場合
借   方 貸   方 摘   要
国保請求収入80,000円 医業未収金80,000円 国保過誤(−)


3   薬品・診療材料の掛仕入れの処理

病医院では、薬品・診療材料を必要な都度、仕入れを行います。経理処理は、仕入先からの請求書をもとに月末に一括して仕入れ処理を行います。

具体的には次のような取引となります。
毎月月末(または締め日)に計上を行う。

事例1
○○薬品より薬品150万円の請求があった。
借   方 貸   方 摘   要
薬品仕入1,500,000円 買掛金 1,500,000円 ○○薬品

事例2
○○製薬より診療材料40万円の請求があった。
借   方 貸   方 摘   要
診療材料仕入400,000円 買掛金400,000円 ○○製薬

薬品・診療材料の返品・値引きの場合は、仕入れが減少することとなります。
事例1
仕入れた薬品のうち2万円分を返品した。
借   方 貸   方 摘   要
買掛金20,000円 薬品仕入20,000円 ○○薬品返品
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