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１商品の棚卸処理

(1)商品の棚卸処理
決算では期末に在庫として残っている商品等の品名ごとの数量・重量をカウントし、棚卸表を作成する。棚卸を行ったら帳簿上の在庫数量と見比べて、減少している分が棚卸減耗損ですので、商品等の帳簿金額を減少させる。
よって、商品等の有高帳を設けて在庫管理をしていなければ、減耗損を把握することが出来ないので、商品等の有高帳を作成していることが条件となる。

棚卸減耗損　××　　商品　××

①	棚卸を行う理由棚卸を行うと期末の商品等の在庫数量・金額が分かります。棚卸を行う目的は期末商品等の数量・金額を把握することだけではありません。もう一つの目的として、仕入金額の算定があります。期首の在庫数量はすでに前期末の棚卸で分かっていますし、当期商品仕入高は期中の処理で把握できますので、期末棚卸が分かれば自ずと仕入金額が分かるという仕組みです。よって棚卸作業というのは、会社の仕入金額を決定するための非常に重要な作業なのです。

②	仕入金額の計算の仕組み

	※期末在庫を計算すると仕入金額が求まる。

実地棚卸では、預り品、長期滞留品、陳腐化資産、簿外資産などの有無を確認することも重要。預り品は預り証と照合することで、その内容を確認する。長期滞留品、陳腐化資産は棚卸資産の評価替えを検討する必要がある。簿外資産は簿外となっている理由を確認し、資産計上する必要がないかを検討する。

【通常在庫以外の検討をする】

項　　目	留意事項
預り品	預り証の入手、照合
長期滞留品	処分及び評価替えの検討
陳腐化資産	処分及び評価替えの検討
簿外資産	資産計上の検討

(2)棚卸の計上仕訳
棚卸資産の実地調査を行った後、次の仕訳を入力する。

●預け在庫等の計上

実地棚卸に際しては、既に引渡しを受けたものの取引先保管となっているような預け品の計上も漏れなく行うことが大切である。
(例)　別の倉庫、店舗等への預け在庫

２棚卸の留意点

(1)未使用分の確認

決算期末近くにかけて大量に仕入れた商品等で、未使用分が正確かつ漏れなく計上されているか確認が必要です。

(2)預け在庫の確認

決算期末に現品をメーカーや問屋等に預けている場合、そちらの「預け在庫」の計上漏れがないか確認します。

(3)届出評価方法の確認

在庫の評価方法は購入単価によることになっている。その単価の評価方法は種々あり、届出によって会社が任意に選択できるが、事前に届出をしていない場合には「最終仕入原価法」によることとなる。

(4)評価損、廃棄損の計上
棚卸の結果、商品に変質、陳腐化が発見された場合は、その全額を評価損、廃棄損として損失計上できる。

多額な評価損、廃棄損は税務調査で問題になることも予想されるため、廃棄した商品等について、品名、数量、金額、処分の日を記録し、写真などにより証拠を残しておく必要があります。

(5)値引き処理　添付商品の取扱い

会社が商品等の仕入れに伴って受け取るリベート（仕入割戻し）と、仕入値引きは、正しく区別して処理しなければならない。税法では、商品の仕入に伴って添付される商品（現品添付）については、実質的に値引きに該当するものとして取扱うことになっています。したがって、
実務上現品添付を受けた時点では、収入にはならずにそれを用いて診療した時点で使用され、残った商品を期末在庫に計上することになる。添付商品が期末時点に残った場合の評価額は、例えば仕入単価500円の商品を100本仕入れ、そのうち20本の添付を受けた場合には、以下のようになる。

　　　　仕入単価　　500円×　　　数量（100本）＝50,000円　仕入金額
　　　　仕入単価　　500円×　　　数量（ 20本）＝10,000円　仕入金額
　　　　仕入金額50,000円－仕入値引10,000円＝40,000円　正味仕入金額
　　　　　　　　　　40,000円÷100本＝400円　正味仕入単価