2 資本的支出と修繕費の区分の具体例 (1)性能アップ又は能力増強 機械の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り替えた場合に、通常の取替えに要すると認められる費用の額を超える部分の金額は、資本的支出に該当します。 (2)使用可能期間の延長又は価額の増加 建物屋上の修理にあたり、防水性の高い長期間劣化しない品質の良いものに変えた場合に、通常の修理に要する費用の額を超える部分の金額は、資本的支出に該当します。 また、建物の避難階段の取付等物理的に付加した部分にかかる費用は資本的支出に該当します。 (3)改造及び撤去費用 倉庫として使用していた建物の一部を事務所に改造し、間仕切り壁の撤去費用と改造費用を支出した場合は、用途変更のために直接要した改造費用と、間仕切り撤去費用のうち新たな事務所部分に係る費用を合計した金額が資本的支出に該当します。 (4)賃借資産の資本的支出 貸主の了承を得て借りていた機械の改造を行い、その負担額を支出した場合、改造費用による使用収益の享受は賃借人となりますから、自己資産と同様に取り扱われ、修繕費となるか資本的支出となるかの判定は一般の場合と同じ方法で行うこととなります。 (5)耐用年数を経過した資産の改造費用 耐用年数が経過している資産について修理、改良をした場合、使用可能期間を延長させる支出であるから全て資本的支出であるという考え方がありますが、費用の支出が事業のうえで必要なものである限り、修繕費となるか資本的支出となるかは、その資産の耐用年数が経過しているかどうかとは関係ないものと考えられます。 したがって、その修理、改良等のために支出した費用の額の修繕費と資本的支出の区分については、一般の例によりその判定を行なうこととなります。 3 修繕費に係るその他注意点 (1)現物・現場での確認 調査の際、修繕の内容を聞かれますが、具体的に説明するためにも現場の確認はしておくべきです。 (2)修理の前後の状況の把握・写真等の記録保管 見積書、請求書などの書類だけでなく修理の前後の写真を撮っておけば説明もしやすく、調査官にも早く理解してもらえます。 (3)修繕費と資本的支出の区分が明確でないときの区分方法 次のとおり処理します。 資本的支出と修繕費の形式的区分基準
個人経営で従業員を被保険者とした場合、所得税法上明確な規定はありませんが、法人税の規定に準じて取り扱うことで差し障りないとされています。ただし個人経営の場合本人の利殖目的でなく、事業の遂行上明らかなものでなければならないとされています。